第2回広域医療情報研究会議事録


日時:11月15日(土)午後7時30分〜午後11時30分まで
場所:センチュリーコート東京
参加者:約30名以上(^^;)、司会進行:飛岡先生、記録:吉村 研


議題募集:この会議で話し合いたいテーマをそれぞれ上げてもらって、それに従って話を進めた。


(1)次回広域医療情報研究会開催について

来年5月に船橋でCOMINESが開かれるが、それにリンクするか?
挙手を求める→リンクする=0、Comines以外の日程で開く=全員一致
次期開催に関しては『欠席裁判』としてTOKU先生に一任する(大拍手)。

(2)電子カルテについて
 

まずハード部分を規定して、電子カルテシステムを開発しようという話があるとすればそれはナンセンス。電子カルテがレセコンを包括するという考え方は、独断専行的に機械を特化するような形で進みがち。現在の資産が生かされないという不合理がある。宮崎医大のMMLによる模索を生かした形であるべき。MMLであればレイアウトなどに囚われない自由度がある。ハードウエアから始まるような手法は業者を喜ばせるだけである。HL7からMeritt9、MMLという流れに沿った形で進めるべき。
省力化が誰のメリットになるのかというのが疑問。MMLなどもデータをやり取りするための約束事でしかない。もう少し診療支援など我々の役に立つ方向からの検討が必要では無いか。モノを作っている部分を我々側に引き込む必要があると思う。
レセ電算システムのソフト・ハードは統一する必要は無い。自分本位であり、かつ患者の役に立つシステムが出来ればそれでいい。厚生省を説得する事が日医の役割では無いか。
我々は患者さんとの接点という形で医療システムを構築してきた。その中から電子カルテが出てくればそれはそれでいい。電子カルテのレセコンなどとのリンクは検討は最後に来るべき項目である。我々の医療を医療データベースとしていかに生かされるかという事が一番大切。その視点の上で医療地域は違っても、お互いのデータベースをお互いに生かすルートは必要になって来る。

(3)電子メールの扱い

各地の医師会はホームページまではクリアー出来るが、電子メールに関しては未議論である。
NTTのシステムでどうやってメールを発信するのか。その時期まで待てというのか、独自サーバーを立ち上げるのか。郡市と県との調整で混乱しているところが多い。県のレベルで一元管理できるのかという事も問題。
NTTとしては大規模なところは想定していないと思う。NTTのシステムは、どうしても解決がつかない地域に対する案であると考えるべき。メールを転送するという事が不可避であるという事を日医はようやく認識し始めたと思う。日医レベルで、まとめてメール転送システムを作った方が合理的では無いか。ユーザー管理について、3000〜4000人レベルでのsecurity管理に関しても考えておいた方がい。その地域でメール転送ができないようであれば、それはその地域の医師会担当者の怠慢だと思う。郡市医師会はレベルも規模もバラバラなので都道府県医師会レベルで調整・準備すべきである。
メールサーバーをどうするかという問題で私の地域は困っている。全国レベルで転送する場合はNTTではfromは保証されていない。全国でやりとりするためにmed.or.jpを取得しても意味がない。from,toという根本的なところが解決できるのであればメールサーバーはバーチャルでも何でもいい。
OCNがいいのかMDXがいいのか。MDXはまだ対応の未整理部分があるので、対応のいい方を選ぼうと思っている。郡市は会員規模の違いが大きいので、最終的には都道府県が対応すべき。MDXを選ぶ場合はエキスパートが必要。自力があるところはMDXにすればいい。
県のレベルでサーバーが立てられないところをどうするか。県はドメインレベル的に郡市医師会の上位にいるのだから、郡市を包括できる力量のある業者を県は選ぶべき。全国的に均一のサービスを提供できるというIIJなども、県庁所在地しかサポートしていない。しかし民間に委託して自由度を確保しておくという方法も一法ではある。

(3)med.or.jpのサーバーについて

独自のサーバーを持つのか、バーチャルでいいのか。
MDXは実験プロジェクトなので5年後の存在は担保されていない。独自サーバーを持つ意味は確かにある。医師会は組織なので個人の努力とか尽力にだけ頼っていてはいけない。常に定常的な運転が出来るのかどうか。業者レベルのものは行政的な予算措置で法外な値段が付いているところが多いので、そこも考えておかないといけない。

(4)医師会事務局のイントラ化

・某先生から「サーバー持たなアカン」「med.or.jp持たなアカン」と言われ続けて来た。個人的にmed.or.jpサーバーを持ったので、それが医師会サーバーになるような形になるかも知れない。これからは一家に一台サーバーの時代が来る。ファミコンのようなモノかも知れない(爆笑)。
・現実には東京は遅れている。
・いや、東京都と新宿区は自前でサーバーを持つ予定である。必ずしも東京は遅れていない。
・私は個人的にサーバーを3つ持っている(大爆笑)。基本的には教育が問題。 医師会20/200人しかインターネットにつながっていない。既設のパソコン通信システムが衰退して行きつつある中で、インターネットは金食い虫という認識を持たれている。公共的ネットを立ち上げるのは簡単だが潰すのは難しい。いかに金をかけないシステムを構築するか、潰れる時の事を考えて構築すべき。 ・とりあえずは郡市医師会レベルでシステムを構築して行って、友達の輪のような形で広げて行ってほしい。

(5)オフライン医療カード

個人的にカードシステムはタコだと思っている。だが実施しているところは、そういう意識は持っていないのでは無いか。カードに全部詰め込むのは入力だけでも大変。また在宅患者の対応がオフラインでは難しい。往診先にカードドライブを持っていくか、カードを持ってきて入力するかしかない。逆にオンラインシステムは情報センター、検査センターが必要になり金がかかる。その点から、オンラインシステムが全国的に広がるかどうかは疑問。
安くて美味しいモノは無い。オンラインのマイナス点は金がかかる事。これは人件費も含めての話。カードだけのところに比べるとオンラインを併用するのは楽ではあるが費用対効果を考えると普及するにはネックがある。ただシステムがダウンした場合を想定するとカードとオンラインを併用するのはメリットがある。

  (6)患者情報のsecurity

エンドユーザーに意識させないで安全に情報を交換する事はできないか、という事を模索している。どうやって本当の技術を持っている人に状況を伝えるか。工学系の人達に医療環境の説明をするのは難しい。securityに関しては特許などで縛られている。真剣に医療応用しようとすると、ライセンス料が発生する。しかしアメリカには遠慮しなくてもいい状況になりつつはある。
(Q)症例の内容を詳細にメールに書く場合などのsecurityの指針がほしい。今の技術でどの程度のsecurityを確保しなくてはいいのか。教えてほしい。
(A)インターネットで患者情報を流すことはインター・イントラに限らずやってはいけない。個人を特定できる情報は流すと問題になる。レントゲンなどの画像に患者情報や患者IDを入れるのはダメ。
暗号化すればいいか? キャッシュカードとカードの持ち主を結びつけるものは何か、それはパスワード。結局はパスワードのsecurityに帰結する。暗号も同じ。突き詰めれば秘密鍵の入っているコンピュータを他人が使えるかどうか。そのパソコンの前に座ることが出来るかどうかという事がsecurityの鍵になる。医師会レベルの指針は国際的にはISOが標準化を行っている。日本は国際的にもこのレベルで一歩進んでいる。
(Q)某メーカーのメールソフトはウイルスが入る可能性があり、実証もされているがsecurity面でどう考えるか。
(A)確かに危険性はある。メールソフトはシンプルであれば良く、高機能である必要性は無い。
(Q)メールを暗号化した方がいいのか、経路を暗号化した方がいいのか?
(A)それはどちらでもいいと思う。
(Q)電話、ファクスなども盗聴できる。インターネットだけ暗号化しなければならない理由は?
(Q)私もそう思う。コンピュータのクラックは多くの資料が一気に盗まれる 事が多いというのが表向きの理由の一つではあるが、要するに世間に対する一つの言い訳という事になる。本当の意味での必要性は疑問。医療の経済的な部分負担をしている人達に対して納得してもらえるだけの事はしておこうという事。そのための言い訳作業だと私は考えている。
(Q)OCNはネットでの暗号化を売りにしているが、どう考えるか?
(A)いろんな暗号化システムがあり、RES、RSAの二つは売れているが他は売れていない。OCNのものは情報が漏れないという機能はあるが、情報の発信源を識別する機能は無い。
(Q)先生の話は空が落ちてくるような話。そこまでsecurityを考えないといけないのか?
(A)それは世間が心配している事。しかし実際にsecurityが破られる事はあるので、今の時点でできる限りの努力はしているという世間への医療側の意志表示は必要。それも含めてインターネットに対する世間のアレルギーを無くしたいと思う。
(Q)イントラネットでも暗号化を進める理由は? 
(A)イントラネットは安全では無い。参加者が5人であればお互いに顔も分かるからいい。これが100人に膨れると中には情報を外にリークするような人が出てくる可能性も高くなる。POPサーバーを置き換えて自動的に暗号化するシステムはあるが、現状では不特定多数に広げるまでの段階では無い。パソコンの前に座ると誰もがそのマシンを立ち上げられると言うようなマシンはこれから先 はsecurityの面一つ取っても使えないと思う。立ち上げ時にユーザーの認証が必要なシステムは不可欠。

  (7)本日の協議会の反省

低調だった。カードメディアにモノを入れてドウコウというのはダメという事は既に分かり切ったこと。数年前に議論され尽くしたこと。もう一つは、話が電子カルテよりレセコン機能に終始したということ。情報システムを作るときに何に使うか、という事を考えてほしい。
日医総研として全国の診療データを集積して再利用できるシステムが必要。基幹病院と開業医の役割分担しか道は無いのでは無いか。現状では病院から開業医へ逆紹介すると患者数が減るため、あまり行われていない。そのためにはデータを日医で把握しておかなければならない。そのデータ解析をスピーディに行う必要がある。
MDXの将来はどうなるのか?方向性はOCN。MDXはインターネット環境に入るのが難しい都道府県医師会を救済する手段になる可能性がある。

第2回広域医療情報研究会議事録

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